カンボジアの麺料理

「クイティウ(ヌードル・スープ)」

カンボジアで「クイティウ」と呼ばれるヌードル・スープは、レストランや屋台などで提供される朝食の定番です。この人気のあるスープは豚肉をベースにしていて、薄めの味付けの栄養価の高い澄んだ感じのスープになっています。
カンボジアの人達は朝食として「クイティウ」を食べだしますが、「クイティウ」を食べる風景は一日中どこでも見られます。伝統的に細めのライス・ヌードルとして提供されると聞いていましたが、実際のところ、この写真のように黄色い色のエッグ・ヌードルとして提供されているのをしばしば目にします。肉のトッピングにはいろいろあって、スライスした豚肉、牛肉、ミートボール、ポーチドチキンの塊などが使われます。スープは数種類の緑色野菜が使われ、エシャロットとフライド・ガーリックが添えられます。副菜として、チリソースと甘めの海鮮醤加えてライムハブズの混ぜ合わせたものが入った小さなお椀が添えられます。スプーンにソースをすくい取り、それに少々のライムを搾って食べ始めます。

「ロートチャー」

誰が何と言おうとも、このヌードルを一度味わえば、その素晴らしさがよく分かります
「ロートチャー」は、少し太めの短麺で、ニラなどの葉物の緑色野菜と醤油、魚醤を加え強火で手早く炒めて味付けされます。
炒られた柔らかいヌードルは中華鍋の香りのよい焦げかすをすくい上げ、味わい深いソースをたっぷりと吸いとります。
中華鍋での仕上げ直前に、調理人は多めのモヤシ(短麺の長さと同じように切り込んであります)と料理にサクサク感を与える具材を加えます。
「ロートチャー」は、炒り卵、甘めのチリソースの搾り汁、スパイシーなチリペーストなどでトッピングされます。
「ロートチャー」の食べ方でお勧めできるのは、半熟状の卵の黄身をヌードルに絡ませて食べるのが最高だと思います。

「クメールヌードル/ノムバンチョック」

「クメールヌードル(ライス・ヌードル麺の総称)」は、その調理方法などから「ノムバンチョック(スープをかけるビーフン)」と呼ばれています。
地方の人々や、観光客は通常「クメールヌードル」と呼んでいます。このヌードルは肩にバランスよく背負った長めの棒の両端に垂れ下げたバスケット(ヌードルの材料が入っています)を携えて、あちこちに売り歩く女性によって売られています。
声をかけると彼女たちは立ち止まり、材料全てを解凍し、注文に応じてお椀を準備します。バスケットに入れられていたライス麺は美しい花びらのようにひろがっていて一掴みの生野菜(細かく刻んだバナナ皮、モヤシ、角切りのキュウリ、ロングビーンに加えて新鮮なミント、バジル)と組み合わされます。お椀全体に汁っぽいレモングラス色の深緑カレーがトッピングされますが、お椀全体をかき混ぜると、ヌードルを啜るというよりも、サラダを食べるみたいになってしまいます。